テックプロジェクトサービス株式会社様:バッチ連続生産方式モジュール型医薬品製造設備「iFactory®︎」

導入事例 2021-11-24

バッチ連続生産方式モジュール型医薬品製造設備「iFactory®︎」
~組み合せイメージをMRで再現することで理解度のアップに貢献~

テックプロジェクトサービス株式会社様では、モジュール型医薬品製造設備における関係者間での完成イメージの共有や展示会での説明にmixpaceをご利用いただきました。その活用の目的や効果について担当されたDXIT推進部 副部長 七五三 英樹様にお話しを伺いました。


キーワード:配置確認、MRによる相互理解の向上


活用しようと思ったきっかけ

iFactory®︎は、写真1のようなキューブ型のモジュール(iCube™)を複数個組み合わせて医薬プラントとなるモジュール型の製造設備です。組合せイメージ(図1)のように実機のキューブにMRで他のキューブを表示したり、今後追加される配管類をモジュール内に表示できれば、関係者間での完成状態のイメージ共有や展示会での説明に利用することで、来場者様に対してもより具体的イメージを持って頂ける説明ができるのではないかと思い、mixpaceを使ったトライアルをしました。

写真1 図1

写真1:産業技術総合研究所 つくばセンター展示機

図1:各モジュール 組合せイメージ

活用方法、活用した所感・効果

任意の座標位置に自由にARマーカーを設定することで位置合わせができる「位置指定ARマーカー機能」がmixpaceに実装されたことで、より現場での使い勝手が向上したと感じました。MRの従来の課題として、表示空間のある座標軸にぴたっと表示したい場合、多少の位置ずれが生じていましたが、ARマーカーを実機に張り付け、MRの3Dモデルを現実空間のねらった位置に表示しやすくなったことでキューブをスタックするような表示もしやすくなったと思います。
 写真1のような展示機のモジュール1つを見るだけでは、おそらく初見の方や十分にコンセプトを理解していない方には、どのように出来上がっていくのか頭の中に絵図を描くのがむずかしいと思います。また口で説明しても理解がどこまで届いているかつかみにくいものです。MRでは、実際に存在しないものを3Dモデルとしてその場にあるかのように表現できるため「百聞は一見にしかず」の効果を活かした説明でぐっと理解を深めることが可能になります。

写真2 写真3

写真2:HoloLens 2にて配管実装イメージを確認

写真3:Miracastを使用しHoloLens 2で
見ている映像をリアルタイムに共有

mixpaceでは、表示するためのデバイスとしてHoloLens 2(写真2)とiPad(写真4)をサポートしています。現場やハンズフリーな作業が必要になるシーンではHoloLens 2で、打合せや出張といったシーンでは鞄に手軽に入るiPadでTPOを踏まえて使い分ければ利用シーンも増えていくでしょう。

MRはオンスケールで見る方法と縮小させてみる2つの使い方があると考えています。写真4ではオンケールモデルを2段に積み上げたケースをMRで表示してみました。PCの中に入り込んでいる3Dモデルでは得ることのできない現場における大きさ感、据え付けたときの建屋との関係、クリアランスの確認、据付手順の確認みたいなことに使える可能性があります。また、モデルを縮小させ卓上に表示させるような使い方も古くは模型で完成イメージを確認していた時代があったように設計レビューの方法の1つとしても活用できそうです。

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写真4:建屋内の配置をオンスケールで表示してみる

今後のMR技術とmixpaceに期待するところ

良い使い方の可能性の豊富なMRですが課題もあります。実際のモジュール工場は図1のように多くのキューブを集めたものになりますがハードとソフトの制約もありすべてを表示することは現状困難です。ハードの性能とソフトの処理技術の向上の両面でより大きな範囲が表示できると実際のプラントサイズでの用途も広がると期待しています。


※写真のiFactory®︎のモジュールは12/8~12/10(金)インターフェックス ジャパン TPSブースに展示し、MRを利用した紹介を行う予定です。


mixpaceチームより

本記事の作成にあたり、詳細な検証事例をご提供いただきましたテックプロジェクトサービス株式会社 七五三 英樹 様に改めて感謝申し上げます。
頂戴したフィードバックを生かし、さらなる品質向上やよりご活用いただける機能開発に努めてまいります。

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