テックプロジェクトサービス株式会社様:高薬理活性物質用 移動式集じん装置「ポータブルHTシステム®︎」

導入事例 2021-11-30

高薬理活性物質用 移動式集じん装置「ポータブルHTシステム®︎」
~モジュラーデザイン、コンパクトな設計、操作性の確認
    設計・開発業務にMRを活用し、早期に検討項目を顕在化~

テックプロジェクトサービス株式会社様では、移動式集じん装置における設計レビューにmixpaceをご利用いただきました。その活用の目的や効果について担当されたDXIT推進部 副部長 七五三 英樹様にお話しを伺いました。


キーワード:設計レビュー、フロントローディング


活用しようと思ったきっかけ

ポータブルHTシステム🄬は、医薬品分野や化学物質を扱う分野で作業者など人体に影響を与える可能性の高い高活性物質を主な対象とした移動式の集じん装置です(写真1,2)。高活性物質へのばく露のリスクは、通常の運転中だけでなく、停止時や保守時など設計配慮が必要です。あわせて移動性や移動式ゆえコンパクトに収める設計開発の中でMRを活用し直感的な設計レビューを行うことで装置が組み上がった後の想定外リスクの低減ができるのでは?と思ったため、シンプルなステップで3Dモデルをオンスケール表示できるmixpaceを活用しました。

写真1 写真2

写真1:風量5m3/minのモジュール組合せ
(インターフェックス展示予定)

写真2:風量10m3/minのモジュール組合せ
(インターフェックスでMRで描画)

活用方法、活用した所感・効果

3Dで設計したモデルをMRで立体的にオンスケール表示することで、従来の機械の開発では試作をするまで気づくことができなかった点に気づきやすいと思います。設計・開発のフロントローディング効果はレビューのタイミングや使い方で高いと考えます。
コンパクトの感覚は、人それぞれ身長の差などもありとらえ方が異なります。ポータブルHTシステム®︎の場合はキャスター付きの共通モジュール台で使いたい場所に移動して利用しますが、移動の際、安全に先を見通して移動できるかなど身長の異なる人で確認し、「さらに数センチ下げる」などの検討項目を早期に顕在化することができました。
開発当初は個々のモジュールを個別のキャスター付き台車に載せた設計としていましたが、個々の機能のモジュールを個別に配置すると意外とスペースをとりました。この課題解決のため共通モジュール台の上に、各機能のモジュールを載せて平面的にも高さ的にもコンパクトに収まる設計を検討しました。バルブの操作性などスペース的に十分とれているかをMRでは事前に確認することができました。
共同開発を行っていますが、複数の会社でなにかを開発する場合、iPad1つで簡単にMR表示できるので3Dモデルをベースに実際に出来上がっていくものを拠点や場所が異なる関係者間で確認することができ、リモートワークが浸透した昨今に合致した効率的な働き方につながると考えます。

写真3 写真4

写真3:風量5m3/minのモジュールMR配置
(MR描画:全体 据付状態確認)

写真4:風量5m3/minのモジュール拡大図
(MR描画:詳細 バルブの操作性など確認)

今後のMR技術とmixpaceに期待するところ

設計・開発の設計レビューに活用することで後戻り検討のリスクを下げるフロントローディング効果もMRには期待できると思います。この効果と現場での用途がさらに広がるように以下のことが強化されることを期待しています。
・3Dモデルで持っている属性を引き継いで、MR上で表示のON、OFFがぱっとできる。装置の3Dモデルは実際のパーツを組み合わせているので、よりフォーカスして見たい部分だけ表示するようなことができるといい
・MRはなにか物体があると、その手前側に表示されるので入り組んだ場所ではつかいにくい。例えば檻の中にMRのライオンを表示させて見るようなことができれば現場では強みとなる


※ポータブルHTシステム®︎は12/8~12/10(金)インターフェックス ジャパン TPSブースに展示し、MRを利用した紹介を行う予定です。
https://tec-tps.com/introduction/pharmaceutical-index/dust_collector/


mixpaceチームより

本記事の作成にあたり、詳細な検証事例をご提供いただきましたテックプロジェクトサービス株式会社 七五三 英樹 様に改めて感謝申し上げます。
頂戴したフィードバックを生かし、さらなる品質向上やよりご活用いただける機能開発に努めてまいります。

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