株式会社建設技術研究所様:新大宮上尾道路の事業監理業務にて橋梁の完成イメージの共有にmixpaceを活用

導入事例 2022-01-06

株式会社建設技術研究所様では、新大宮上尾道路の事業監理業務にて関係者間での橋梁の完成イメージの共有や現地踏査(調査)にmixpaceをご利用いただきました。その活用の目的や効果について担当された佐々木様にお話しを伺いました。








キーワード:BIM / CIM・設計業務


株式会社建設技術研究所は、国土交通省が取り組むBIM / CIM (Building / Construction Information Modeling / Management)活用推進に合わせ、同技術を使った業務に取り組んでいます。

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写真-歩道橋と地中杭をMR画像として可視化

【BIM / CIMを設計業務に有効活用】

当社は現在、国土交通省関東地方整備局大宮国道事務所を発注者とする国道17号新大宮上尾道路(与野~上尾南)の事業監理業務を行っています。この業務は、事業の効率的かつ確実な事業推進を図るため、全体事業計画の整理、測量・調査・設計業務等に対する指導・調整等、地元及び関係行政機関等との協議等、事業管理等を行うことを目的としています。
新大宮上尾道路の詳細設計業務は、発注者指定型としてBIM / CIMモデルを活用する内容で発注されており、受注者は通常のCAD図面の作成のほか、BIM / CIMモデルを作成し、施工計画の検討や対外説明に有効活用しています。例として、以下の図は新設橋脚と既設橋台ウイングの支障状況をBIM / CIMモデルで確認した事例ですが、照査に用いることで非常に効率的に設計計画上の課題や配慮不足を発見することが可能となりました。

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活用事例:新設橋脚と既設橋台ウイングの支障状況



【mixpaceを活用しようと思ったきっかけ】

これまで主流だった2次元CAD図面による設計では、干渉・施工性等を含む 設計上の問題点が後の工程で発覚し、手戻りのため工期・原価に影響を及ぼすことがありました。手戻りによる費用増や工期延伸を防ぐため、構造物の形状や配置をMR画像として可視化することで構造物の設計内容のイメージを発注者や関係者と共有することが可能となり、設計の合意形成の効率化につながると考えmixpaceを導入しました。

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写真-構造物の形状や配置をMR画像として可視化



【活用方法、活用した所感・効果】

設計段階において、現況に3次元設計データを投影して完成形を確認しながら作業を進めることが可能となりました。また、平面図上にも3次元設計データを投影することが可能なので、関係者との協議の場においてもmixpaceを活用した施工イメージの共有が容易となりました。

mixpaceはクラウドサービスのため、PC上でデータをクラウドにアップロードした後は、mixpaceをインストールしたiPad上で手軽にダウンロードすることが出来ます。今までは複数のソフトを手動で連携させデータ形式も逐一変換する必要があったため、その準備だけでも数時間かかっていましたが、mixpaceはBIM / CIMデータからmixpaceへの取り込みだけで済むため、大幅な時間短縮が可能となりました。

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写真-mixpaceのPC操作画面

mixpaceでは3ds, catpart, dwg, dxf, f3d,など、様々なファイル形式を取り込むことが可能で、操作が分かり易く作られています。インターフェースの認知性も高く、初心者でも操作が簡単にできると感じました。



【導入後の感想】

協議の様子 mixpace画面

写真-mixpaceを用いた設計イメージ共有の様子

関係者との合意形成ツールとして、非常に有効なツールであると感じました。上記の写真は橋脚の詳細設計、既設埋設管の配置イメージを共有するため、mixpaceを活用している様子です。普段は設計図面を見慣れていない方、設計業務に詳しくない方にも視覚的にイメージを伝えることが出来ました。



【今後のMR技術とmixpaceに期待するところ】

事例1 事例2

写真-遠近感や投影場所の調整が困難な例

mixpaceは扱いやすいツールではあるものの、現場によっては3次元データを投影する際に、AR設置用マーカーの位置合わせに時間がかかることや3次元画像の縮尺調整が難しいと感じることがありました。例えば写真に示す通り、既設橋梁の奥にあるはずの新設橋脚が手前側に投影されてしまう場合などです。
ユーザーの習熟度を上げることは必要ですが、ソフトの機能面が向上し、より手軽に操作が可能となることを期待しています。

今後は、施工箇所において関係者と施工イメージを共有し、以下のようなケースがあった際に活用していきたいと考えています。

・現場視察での施工イメージ共有
・遠隔臨場による現地調査での活用
・地元住民への説明、事業説明資料への活用
・地下埋設物の配置状況などの情報共有
・維持管理段階における点検等での活用


mixpaceチームより

本記事の作成にあたり、詳細な検証事例をご提供いただきました株式会社建設技術研究所 佐々木様に改めて感謝申し上げます。
頂戴したフィードバックを活かし、さらなる品質向上やよりご活用いただける機能開発に努めてまいります。

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